占い師に「今年は大吉」と言われた日

ふと気が向いて駅前の占い館に足を運んでみた。ここ数年、年末年始に占いに行くのが私のささやかな楽しみになっている。いつもは気まぐれで訪れるが、今年は特に「何かヒントが欲しい」という思いがあった。

店内は落ち着いたインテリアで、アロマの香りがほのかに漂っていた。私を待っていたのは60代くらいの女性占い師で、優しそうな笑顔が印象的だった。

「四柱推命で見てみましょうか」

そう言って占い師は私の生年月日と出生時間を聞き、複雑な計算を始めた。しばらくして、彼女の表情がぱっと明るくなった。

「あら、今年はとても良い年になりそうですね」

四柱推命によると、私の今年の運勢は「印綬(いんじゅ)運」が強いらしい。これは「知識やスキルが実を結ぶ年」を意味するそうだ。

「特に春から夏にかけて、今までの努力が報われるでしょう。新しいことを始めるにも最適な時期ですよ」

占い師はさらに詳しく説明してくれた。私の八字(はちじ)には「正官」と「正印」がバランスよく配置されており、これは「周囲からのサポートを得ながら目標を達成できる」ことを示しているという。

「ただし、秋口に少し注意が必要ですね。『劫財(ごうざい)』というエネルギーが強まるので、人間関係で軽率な発言をしないように」

最後にアドバイスとして「青いものを身につけると運気がさらに上がる」と教えてくれた。確かに、最近何となく青い服を選ぶことが多かったな、と思い当たった。

占いを終えて外に出ると、なんだか気分が軽くなっていた。「今年は頑張ろう」という前向きな気持ちが湧いてきた。もちろん占いの結果だけで人生が決まるわけではないが、良いヒントをもらえた気がする。

帰り道、ふとスマホを見ると、気になっていた講座の募集が目に入った。これは何かの縁かもしれない。早速申し込んでみようか、そんなことを考えながら、いつもより少し足取り軽く家路についたのであった。

(ちなみに、お店を出た後、駅前で青い財布を衝動買いしてしまった。これで運気アップ間違いなし、と自分に言い聞かせながら。)

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